地元を離れたくないのに

皆さんは地元の両親と暮らしていますか?

両親から離れて生活するのか、それとも同居か。

どちらが正解なのでしょうか。

私は同居が正しいと思っています。

別居が間違っているとまでは言いませんし、それぞれの人生、家庭ですから、明確な答えはきっとないのでしょう。

他人が考えを押しつけることでもありません。

ここでは私の偏見で語ろうと思います。

そもそもなぜ両親と離れて暮らす事になるのでしょう。

仕事がもっとも多い理由でしょう。

仲が悪くて、、、嫁さんが、、、

まあ大体はこんな感じですよね。

私も仕事の都合で25歳の時、地元から500キロ近く離れた都会に引っ越しました。

最初は良かったんです。仕事も順調で、私の活躍を両親も喜んでいましたから。

でも一年、また一年と時が過ぎるうち、両親の元へ帰りたいとの思いが強くなっていきました。

両親はまだ若いです。63歳くらいですかね。

でもそれぞれが何かしら身体の不調を抱えています。

父は脊柱管狭窄症、母は白内障や慢性的な頭痛。

特に父の脊柱管狭窄症はひどく、脚のしびれや半月板の激痛によってしゃがみ込む動作が不可能です。

その不調にイライラを募らせ、母にあたることもしばしば。

母は極度の心配性です。息子が頑張っているか不安で毎日メールをしてきます。

衝撃的だったのは、3ヶ月ほど前、久しぶりに帰省したときのこと。

あんなに黒々としていた母の髪の毛が、真っ白になっていたこと。

歯もいつの間にかほとんど抜け落ちていました。

どうやらストレスでそうなったとのことでした。

私は愕然として、とりあえずこれで何かうまいもんでも食べてと、2万円置いて実家を後にしました。

その日私は都会で一人泣いていました。

親はよく言いますよね。

息子が都会で元気に頑張っているだけで私は嬉しい。

仕事も順調で、出世して、そんな話を私に聞かせてくれるだけで嬉しい。

こうやってたまにでも帰ってきて元気な顔を見せてくれるだけでいい。

でも私は知っています。

息子がいくつになろうとも子離れできないと悲しむ母を。

地元で働いてくれたら嬉しいのにと、母に打ち明ける父を。

そんな状況で、母の年老いた姿を見てしまった私。

そんな状況で、父の痛みで辛そうな姿を見てしまった私。

両親はいつまでも元気で過ごしてくれると幻想を抱いていました。

でもこんな現実を目の当たりにして、私の中で焦りが出てきました。

今一緒に過ごしてあげるべきではないのか。

息子が帰るととても嬉しそうにする両親を見るたび辛くなってしまいます。

地元でも働き口はあります。

ただ田舎なので大きな企業がなく、収入は確実に下がります。

それでも両親と過ごしたい。

前と変わらずいつまで元気に過ごせるのか分からないし、今一緒に過ごさないと一生後悔するんじゃないか。

近年は有料老人ホームやサ高住が次々と建ち、在宅介護サービスも充実してきています。

両親は息子たちに迷惑をかけたくないと、今も必死で働いてお金を稼ぎ、何かあったら夫婦そろって施設に入るんだと常々言います。

でも私はそれを絶対に阻止したいと思っています。

お金の援助が出来るほど裕福な生活は出来ていません。

ですが施設に入れば確実に老化、認知症が進みます。

認知症予防のため、施設側も様々な工夫をされています。

それでも進行します。施設が悪いわけではないです。

祖父が建てた立派な家を、愛着のある地域を離れ、閉鎖的な環境に身を置くことで、進行していきます。

なにしろ父のあの気難しい性格では、施設に馴染めるわけがないのです。

ホテルや旅館で安心して寝ることも出来ない母が、施設で生活など出来るわけがないのです。

かといって私が住むこの都会に両親を呼ぶことも出来ません。都会に馴染めませんからね。

だから私が帰りたいと思っています。

何が正解かなんてないのだと思います。

私の判断が正しいとは言えないのかも知れません。

ただ、両親の残りの人生を、楽しく謳歌して欲しい。

まだ老後とは言えませんが、そのときはあっという間に来ると思っています。

私のためではなく、両親のために同居したい。

私が20代の頃は、地元に帰りたいなんて思っていませんでした。

今では、地元を離れたくないのに、仕事のために都会で働いています。

次回は介護することについてお話しします。

読んで頂きありがとうございます。

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